「みんな神さまの子」
チャプレン 司祭 林 和広
聖句
「ザアカイ、急いで降りて来なさい」
ルカ19:5
3月1日
おはようございます。今日も元気に幼稚園に来てくれてありがとう。
今朝の聖句にはザアカイという名前が出てきます。彼は徴税人(ちょうぜいにん)と呼ばれる税金(ぜいきん)をあつめる仕事をする人でした。みんなから税金を集めるのですが、多くの人が苦しい生活をしていました。税金を払うことが大変な人たちがたくさんいました。そうした中にあって、徴税人たちの中には高い税金を取って、その一部を自分のものにする人たちもいました。ザアカイはそうした徴税人たちの中でも一番偉い人でした。
ザアカイは多くの人たちから嫌がられていました。たくさんのお金をみんなから集めて、自分だけは良い生活をしてからです。誰もザアカイとおともだちになる人はいませんでした。ザアカイにはお金はたくさんありましたが、おとだちがいなかったのです。生活には困ることはありませんでしたが、さみしい思いをしていたかもしれません。
そんなある日、ザアカイが住んでいたところにイエスさまが来られました。イエスさまはいろんなところをめぐりあるいて困っている人、悲しんでいる人、苦しんでいる人たちを助け、神さまのことを伝えていました。多くのひとがイエスさまのことを聞いて、知っていたのでしょう。「イエスさまがここにも来たぞー!」みんな大喜び。たくさんの人たちがイエスさまの周りに集まってきました。ザアカイもそれを聞いてイエスさまに会いにいきます。しかし、たくさんの人がいて、イエスさまが見えません。たくさんの人がいたのと、ザアカイはみんなよりも背が低かったからでした。ザアカイはそれでもイエスさまと会いたかったのでイエスさまが進む道に先回りして、木の上に登って待っていました。そこにイエスさまが来られます。
すると、イエスさまは言います。「ザアカイ、急いで降りて来なさい。今日は、あなたの家に泊まる」と。ザアカイはびっくりしたことでしょう。「僕の家に来てくれるのですか?」と。ザアカイは喜んでイエスさまを迎えます。
それを見たまわりの人たちは、「イエスさまは、あの嫌われ者のところに行くんだ・・・」と言います。もっと困っている人、苦しんでいる人、悲しんでいる人のところにいって助けてくれる人だと思っていたのに・・・。そう思ったのでしょう。
しかし、ザアカイはイエスさまに言います。「自分の持っているお金を困っている人たちにささげます」と。そして、これまでの自分の悪かったことをイエスさまにすべて話し、たくさん取ったお金を返すことを約束します。
イエスさまは誰もおともだちがいなかった嫌われ者のザアカイとおともだちになります。ザアカイはイエスさまがおともだちになってくれたことによって、優しい気持ち、まわりの人のことを想う気持ちを持つことを知りました。イエスさまはどのような人たちにも同じように出会います。みんな神様の子であることを伝えるために。
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